維新の「議員定数1割削減」に潜む欺瞞…連立入りの絶対条件は“焼け太り”狙った露骨な党利党略

公開日: 更新日:

 あれよあれよと協議がまとまり、自民党高市早苗総裁と日本維新の会吉村洋文代表(大阪府知事)は20日、連立政権合意書に署名する運びだ。維新が連立入りの「絶対条件」として急に持ち出したのが、国会議員の定数削減だ。自民も受け入れ、21日召集の臨時国会に一足飛びで関連法案を提出する方針だ。賢明な有権者は、維新の「身を切る改革」にだまされてはいけない。

  ◇  ◇  ◇

「議員定数の大幅削減が受け入れられなければ連立は組めない」

 吉村代表の声高な訴えには、自民との連立合意のハードルを下げる狙いがミエミエだ。歩み寄りが困難な「企業・団体献金の廃止」を棚上げし、「政治改革のセンターピンは議員定数削減」(吉村代表)と論点をスリ替え。維新関係者も「企業・団体献金の廃止では連立協議の合意は不可能だから、急ごしらえで『定数削減』を持ち出した」と明かす。

 維新は本拠地・大阪で地方議員の定数や報酬の削減を実施。「身を切る改革」の旗印で支持を集めてきたとはいえ、国と大阪府・市の予算規模はケタ違い。「議員1人にかかる税金は年間1億円」ともいわれるが、目標である議員定数の1割カットが実現しても削れる税金は微々たる額だ。今年度予算115兆円のうち70億円程度に過ぎない。

 しかも日本の議員定数は諸外国と比べても決して多くない。2021年のOECD調査によれば、人口100万人あたり5.6人と加盟38カ国中36位。英国の4分の1、ドイツの半分ほどだ。

■比例50減なら公明党は大打撃

 それでも吉村代表はイケイケで、衆院の定数は「50人ぐらい削減したい。(対象は)比例選じゃないか」と踏み込んだ。比例代表の大幅削減は、比例選重視の公明党や共産党には死活問題となる。18日付の日経新聞が昨年の衆院選の結果から小選挙区と合わせた総獲得議席の減少率を試算すると、自民が1割以下、維新が1割強にとどまるのに対し、公明と共産は25%減。比例選出議員の比率が多いためだ。公明党関係者が「連立を離脱したことへの嫌がらせ」と嘆くゆえんで、共産は早速、比例定数削減に反対する嘆願署名を始めた。

 自民も背に腹は代えられないのかもしれないが、比例定数の削減にはためらいがあるだろう。連立から離れたとはいえ、公明の「人物本位」による選挙協力への期待があり、機嫌を損ねるわけにはいかないからだ。そのせいで削減対象が選挙区に移っても、維新は痛くもかゆくもない。むしろ焼け太りするだけだ。

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    高市首相が石川県知事選の敗北にブチ切れ! NHK調査でも内閣支持率が下落…人気低下の兆しに隠せぬ「焦り」

  2. 2

    石川県知事選で現職の馳浩氏が展開した異様な“サナエ推し” 高市人気に丸乗りも敗北の赤っ恥

  3. 3

    永田町で飛び交う高市首相の「健康不安」説…風邪の疑いで外交キャンセル、総理総裁の器にも疑問符

  4. 4

    高市首相が高額療養費見直しめぐり「丁寧に議論した」は大ウソ 患者団体を“アリバイ”に利用する悪辣

  5. 5

    【スクープ!】自民・鷲尾英一郎陣営が衆院選期間中に違法な有料動画広告を配信! 新潟県警が刑事告発状を受理

  1. 6

    国会で、SNSで…「高市早苗の嘘八百」はこんなにある!女性初首相は“真っ黒け”なのに手ぬるい野党の追及

  2. 7

    これが高市“ウソつき”首相の正体 世間はウソを望む。だから権力者はウソを利用する

  3. 8

    二階俊博ジュニア伸康氏はどこへ行く…国政での2度惨敗に懲りず今度は和歌山市長選に?

  4. 9

    高市政権の医療制度改悪「負担軽減」「機能強化」の詭弁 月額手取り増わずか“ペットボトル1本分”のお粗末実態

  5. 10

    中道の聞くも哀れな金欠物語…藁をもつかむ「1億円クラファン」、本部は間借りで職員も雇えず

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    和久田麻由子は“女子御三家”の女子学院から東大へ 元NHKの先輩・膳場貴子と重なるキャリア

  2. 2

    戸田恵梨香「リブート」出演で“新ファッション女王”へ 衣装&ジュエリーがSNS席巻、松嶋菜々子超えの存在感

  3. 3

    米国偏重ルールのWBCに「ふざけるな!」 MLBのカネ儲けのために侍Jが必死で戦う“ねじれ”の図式

  4. 4

    そもそもWBCってどんな大会?日本がMLBの“金ヅル”から脱却できない意外な事情

  5. 5

    高市首相が高額療養費見直しめぐり「丁寧に議論した」は大ウソ 患者団体を“アリバイ”に利用する悪辣

  1. 6

    元EXILE黒木啓司がLDHを離れたワケ…妻のド派手すぎるセレブ生活が遠因か

  2. 7

    侍Jを苦しめるNPB「選手ファースト」の嘘っぱち トレーナーの劣悪待遇に俳優・渡辺謙もビックリ?

  3. 8

    高市首相が石川県知事選の敗北にブチ切れ! NHK調査でも内閣支持率が下落…人気低下の兆しに隠せぬ「焦り」

  4. 9

    WBCイタリア代表が「有名選手ゼロ」でも強いワケ 米国撃破で予選R1位突破、準決勝で侍Jと対戦も

  5. 10

    今度は小澤陽子アナらが辞表を叩きつけた! フジ退社ラッシュの「異例事態」と「泥船化」が続くウラ