「微笑む慶喜」戸張裕子著、河合重子監修

公開日: 更新日:

 慶喜にはそうした折の元将軍、公爵としての威厳に満ちた公での顔の他に、人前では見せない優しい顔の2つの顔を持っていたという。明治39年、日露戦争凱旋祝賀会の折に撮られたスナップには、その片鱗(へんりん)がうかがえる好々爺(こうこうや)然とした慶喜の姿が写っている。

 その他、子息の結婚記念写真や、孫の喜久子(のちの高松宮妃殿下)を抱いている姿など、プライベートな写真も網羅。

 家令が残した「家扶日記」など多くの史料をひもときながら、慶喜の行動を追いかけ、その心情に迫るとともに、写真にともに写る明治華族の知られざる側面を明らかにしていく労作。
(草思社 1900円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党・神谷宗幣代表の「質問主意書」がヤバすぎる! トンデモ陰謀論どっぷり7項目に政府も困惑?

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  4. 4

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  5. 5

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  1. 6

    フジテレビ「不適切会合」出席の福山雅治が連発した下ネタとそのルーツ…引退した中居正広氏とは“同根”

  2. 7

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  3. 8

    清原果耶は“格上げ女優”の本領発揮ならず…「初恋DOGs」で浮き彫りになったミスキャスト

  4. 9

    選管議論で総裁選前倒しでも「石破おろし」ならず? 自民党内に漂い始めた“厭戦ムード”の謎解き

  5. 10

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます