怪談で残暑を乗り切ろう編

公開日: 更新日:

■「可愛い黒い幽霊」宮沢賢治著

 チユンセは妹のポーセに意地悪ばかりしていたが、11月ににわかにポーセが病気になった。チユンセが松の木の枝から取ってきた雨雪をさじで食べさせると、ポーセはおいしそうに食べたが、急にぐたっとなって死んでしまった。春になって土の中から出てきた青いカエルをチユンセは石でつぶしてしまう。すると、昼寝の夢にポーセが出てきて、「兄さんなぜあたいの青いおべべ裂いたの」と言った。(「手紙 四」)

「幽霊」「幻視」「鬼言」「物怪」「魔処」の5つの章から成る、怪奇怪談に特化した珍しいアンソロジー。
(平凡社 1400円)

■「すえずえ」畠中恵著

 長崎屋の若旦那の所には、貧乏神、屏風のぞき、化け狐といった<あやかし>の面々がやってくるが、貧乏神は癇癪を起こすととんでもない悪さをする。道を歩いていた猫又が、そのまま賽の河原に迷い込みそうになったことも。ある日、若旦那の友人の栄吉が<おせつ>と見合いをした。化け狐が人に化けて様子をうかがうと、なぜか栄吉は若い女に平手打ちされるし、おせつは他の男と会っている。そして縁談を邪魔する借金取りの登場に貧乏神の癇癪が…。(「栄吉の来年」)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  3. 3

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  4. 4

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

  5. 5

    (1)長嶋茂雄氏の「逆転巨人入り」は、銚子の料亭旅館の仲居さんの一言から始まった

  1. 6

    我が専大松戸がセンバツ王者で無敗の横浜に大金星も、達成感、喜びをあまり感じない理由

  2. 7

    永野芽郁「キャスター」“静かにフェードアウト説”一蹴!主演映画も絶好調で“稼げる女優”の底力発揮

  3. 8

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  4. 9

    長嶋茂雄さんは当然のように電車改札を「顔パス」しようとして、駅員に捕まった

  5. 10

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」