怪談で残暑を乗り切ろう編

公開日: 更新日:

 遠野では、座敷わらしがいるという宿に1泊。夜、加門氏が翌日の準備をしようとしたら突然、背後が明るくなった。ぎくっとして振り返ると、既に床についていたMOTOKO氏の枕元にバレーボールほどの白く輝く球体が! 球体は彼女の頭上を飛び越えて畳に着地すると、ふっと消えた。室内が豆電球ひとつの暗さに戻ったその時、MOTOKO氏が悲鳴を上げて跳び起きた。「うわああ!」

 京都で、清水寺の裏の坂道を上っていた東編集長は、「後ろに人が!」と加門氏に声をかけられ、振り返ったとき、中年の男性とすれ違った。その後、何だか、足元に変な感覚がある。音羽の滝に着いたとき、東編集長を見ていた加門氏が、狼狽した表情でこう告げた。「ヒガシさん……連れてきちゃったね」

 実はあのとき、中年の男性と若い女性が坂を上ってきたが、女性が東編集長にぶつかりそうだったので声をかけた。2人が東編集長の脇を通り過ぎようとした瞬間、女性の姿だけが消えたというのだ。とすると、連れてきたというのは…。

 心霊スポットめぐりの後、妙に体が重かったら、あなたは<何か>を連れ帰ってしまったのかもしれない。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  5. 5

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

  3. 8

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます

  4. 9

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  5. 10

    吉村府知事肝いり「副首都構想」に陰り…大阪万博“帰宅困難問題”への場当たり対応で露呈した大甘な危機管理