「首都水没」土屋信行氏

公開日: 更新日:

 昭和30年代初めまで、下町のゼロメートル地帯はたびたび洪水に遭った。家には舟が常備してあり、盛り土をした高台の小屋に米、味噌、醤油を保管し、水が引くまでそこで過ごした。位牌にはヒモと滑車がついていて、天井裏に吊り上げられる工夫もされていた。

「洪水が来ると理解して、水とともに暮らす術を身につけていたんですね。そういう知恵が途絶えてしまいました。蛇手川、堀之内、堀切など危険情報を刻み込んだ地名も、忘れられていきました」

 一方、山の手の台地も危険になってきた。道路が舗装され宅地化が進み、土がコンクリートで覆われ、ゲリラ豪雨が降ると下水道から水があふれるからだ。では、どうしたらいいのだろうか。

「行政はハード面で地下道や堤防の整備を進めます。みなさんは、ソフト面で自分の命を守る術を身につけていただきたい。発泡スチロールを枕カバーに入れたもの、空のペットボトルを防災用品に加えれば、浮輪になります。着衣泳も大事です。近所の人と知り合って、いざという時に助け合える地域力をつくっていく。そうやって楽しい東京にしていきましょう」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    三浦春馬さんに金銭を無心か…「母親の過去」と死の動機

  2. 2

    140億円の超ジャンボ宝くじ当てた 40代夫婦のその後の生活

  3. 3

    史上最大の復活V 照ノ富士“地獄”を見て相撲も性格もガラリ

  4. 4

    和歌山県 仁坂吉伸知事に聞く「和歌山モデル」の全貌

  5. 5

    米倉涼子は独立から半年 次回作が決まらない「2つの理由」

  6. 6

    三浦春馬さん“前兆なき死”の謎…直前に何か物凄いことが?

  7. 7

    三浦春馬さん“遺書”に記された孤独と苦心惨憺…鬱状態にも

  8. 8

    「Go To トラベル」は存続の危機?観光庁に聞いた30の質問

  9. 9

    裏金作りにキャバクラ接待 鹿島建設は“組”時代と変わらぬ

  10. 10

    5歳未満のコロナウイルス保有量「大人の10~100倍」のナゾ

もっと見る