著者のコラム一覧
宮城安総工作舎アートディレクター

1964年、宮城県生まれ。東北大学文学部仏文科卒。1990年代から単行本、企業パンフレット、ポスター、CDジャケットなど幅広く手掛ける。

冗舌な風景を支える、無口なデザイン

公開日: 更新日:

「UYUNI iS YOU」TABIPPO

 あらかじめデザインされた空と大地、とは言い過ぎか。ウユニ塩湖。南米ボリビア、標高3700メートルにある塩の平原。刻々と変化する風景の写真47枚を厳選・収録する。誤解なきよう、自然現象そのままの写真集。絵面を例えるなら「逆さ富士」「蜃気楼」といったところ。しかし、いくら絶景でも本写真集と比べると、それらはあまりに「地球的」、陳腐に見えるかもしれない。

 SF映画的/人工的とすら思えるほどに「整った」風景に驚嘆、言葉を失う。TV等で見聞きし知っていても、やはり呆然とし「絶句」するであろう。

 本書の作り手たちも、言葉による解説をとうにあきらめ、ひたすら絶句し続けているかのようだ。写真集でも、ここまで説明文が少ないのは珍しい。扉として差し込まれるのは「片艶晒クラフト紙」か、青い極小文字で短い英文と和文が数文字置かれるのみ。しかもこの紙、裏が透ける。表裏に刷られた文字同士の干渉を避けるべく裏面には、不透明ホワイトインキの、天地2・5ミリ幅の帯が走る(白い紙に白インキ。目を凝らさないと分からない繊細さ!)。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    横綱・大の里まさかの千秋楽負傷休場に角界から非難の嵐…八角理事長は「遺憾」、舞の海氏も「私なら出場」

  3. 3

    2026年大学入試はどうなる? 注目は公立の長野大と福井県立大、私立は立教大学環境学部

  4. 4

    東山紀之「芸能界復帰」へカウントダウン着々…近影ショットを布石に、スマイル社社長業務の終了発表か

  5. 5

    「総理に失礼だ!」と小池都知事が大炎上…高市首相“45度お辞儀”に“5度の会釈”で対応したワケ

  1. 6

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  2. 7

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  3. 8

    義ノ富士が速攻相撲で横綱・大の里から金星! 学生相撲時代のライバルに送った痛烈メッセージ

  4. 9

    同じマンションで生活を…海老蔵&米倉涼子に復縁の可能性

  5. 10

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択