「できる男は不倫する 本革の手帳」松岡宏行・著 高橋潤・絵

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 刺激的な書名にそそられてページを開くと、アメコミ風のタッチで描かれた巨乳美人と昭和からワープしてきたような小太りハゲ親父のセックスシーンが目に飛び込んでくる。読み進めると、オヤジはどうやら会社で「ブチョー」と呼ばれてはいるが、それはあだ名で本当の役職は係長、そして巨乳美人はブチョーの恋人のナミだと分かる。

 他にも、ブチョーの年下の上司で社内最年少部長の谷原や、OL・ノリカやエリカらの夜の生活もたっぷりで、オフィスを舞台にしたお色気コミックかと思ったら大間違い。

 なんとショートストーリーとテキストで「ビジネスの真理や人間関係のコツ、男の生き方」を説く成長戦略指南書なのだ。

 対象は40代の管理職や経営者層とその予備軍。容貌や体力の衰えはもちろん、「傲慢なつもりはないけれども、威張りたい気持ちから逃れられない。若い人のダメさが我慢できない。物事の細部を最後まで突き詰めるのが面倒くさくなる。うまく人の間に入って、マージンを稼ぎたくなる。人の見ていないところで、ついつい美意識が下がる」など、際限のない「心のオヤジ化」に陥り始めた諸氏向けに、笑いとエロに包んで秘策を授けてくれる。

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