「正楽三代寄席紙切り百年」新倉典生著

公開日: 更新日:

 余芸だった紙切りを寄席芸に昇華させ、代々伝える大名跡・林家正楽3代の足跡をたどり、その芸と人間像に迫る。

 初代は、大正5年、落語家を志し20歳で入門。2年後、普段は見せない余興芸を客に披露する珍芸大会が催され、二つ目に昇進していた初代は経師屋だった父が得意だった紙切りを見よう見まねで披露。それが評判となり、高座でも落語の後に見せることに。やがて、人気が下火になると、紙切りのお題を客からその場でもらって即座に切り抜くという一世一代の勝負に出る。

 なまりが原因で落語に見切りをつけ初代に弟子入りした2代、さらに3代へと、代々受け継がれてきた紙切り芸の軌跡をたどる。(dZERO 2100円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし