「映画の戦後」川本三郎著

公開日: 更新日:

 1960年から70年代にかけて高倉健が演じたやくざは、義のために命を懸ける、体制の外側にいるアウトローだ。やくざはたいてい建設現場の労働者や露天商などの下積みの労働と関わっている。やくざ映画とはほとんどプロレタリア文学と同じ世界を描いているのだ。高倉健のやくざ映画に熱狂したのは、当時、全共闘運動に加わった学生たちだといわれたが、彼らだけではない。昭和39(1964)年の東京オリンピックの工事のために東北から上京した出稼ぎ労働者も圧倒的に支持したのではないか。(「やくざ」が輝いていた時代)

 日本映画とアメリカ映画を独自の視点で論じた映画批評集。

(七つ森書館 2200円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ベネズエラ戦惨敗は井端監督の「自業自得」…リリーフ崩壊は昨年末から始まっていた

  2. 2

    大谷も「勝てる要素のある試合」と悔いた 侍J最悪のWBC8強止まり…井端監督チグハグ采配の痛恨

  3. 3

    小栗旬がハリウッド“資本”映画で主演も… トラウマ級の英語力と「スター」への高い壁

  4. 4

    侍J選手を“殺した”井端監督の偏重起用、場当たり、塩漬け…こうして結束力に亀裂が生じた

  5. 5

    国立大学なら入学辞退率がゼロに近いはずだけど実態は? 有名私立と天秤にかけられる意外な大学

  1. 6

    「国宝」日本アカデミー賞10冠の陰で…森七菜“最優秀助演女優賞”逃した不運と無念

  2. 7

    侍Jを苦しめるNPB「選手ファースト」の嘘っぱち トレーナーの劣悪待遇に俳優・渡辺謙もビックリ?

  3. 8

    広瀬すず 映画賞受賞ラッシュでも残された大仕事「大河ドラマ出演」への“唯一のネック”

  4. 9

    「ガキ使」の没個性化が進む? 松本人志の“週替わりCM”で「本編」が希薄化の危機

  5. 10

    黄川田こども担当相の“ポンコツ答弁”が炸裂! 立憲・蓮舫氏との質疑で審議が3回も中断する醜悪