「複数の愛を生きる」深海菊絵氏

公開日: 更新日:

「真剣に愛について考え、話し合う人が多いんです。皆、真面目なんですよ。キリスト教徒が多い中で、複数愛は『ふしだら』と糾弾されがちですが、彼らには『私たちはちゃんとふしだらなことをしています』と表明する知性と姿勢があります。“性”というよりも“生”、生きることに対して真剣なのだと実感しました」

 とはいえ、恋愛には嫉妬や独占欲がつきものではないだろうか。

「複数愛でも同様の問題はありますが、だからこそ彼らはより細かなケアを実践しています。“配慮が作る複数愛”という印象です。今の日本でも、同性婚を公的に認める条例が可決されるなど、セクシュアリティーの多様性を認める動きが活発です。ポリアモリーも多様な愛のひとつ。自分とは異なる形の愛や家族を築いている人を受け入れる、成熟した社会になればいいなぁと思っています」(平凡社 800円+税)

▽ふかみ・きくえ 札幌生まれ、横浜育ち。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程在籍。主な研究領域は性愛論、家族研究。本書が初著作。日本人で初めてポリアモリーの実態を調査研究し、書籍にまとめた。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  2. 2

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  3. 3

    マツコが股関節亜脱臼でレギュラー番組欠席…原因はやはりインドアでの“自堕落”な「動かない」生活か

  4. 4

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  5. 5

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  1. 6

    5億円豪邸も…岡田准一は“マスオさん状態”になる可能性

  2. 7

    小泉進次郎氏8.15“朝イチ靖国参拝”は完全裏目…保守すり寄りパフォーマンスへの落胆と今後の懸念

  3. 8

    渡邊渚“初グラビア写真集”で「ひしゃげたバスト」大胆披露…評論家も思わず凝視

  4. 9

    「石破おろし」攻防いよいよ本格化…19日に自民選管初会合→総裁選前倒し検討開始も、国民不在は変わらず

  5. 10

    大の里&豊昇龍は“金星の使者”…両横綱の体たらくで出費かさみ相撲協会は戦々恐々