「複数の愛を生きる」深海菊絵氏

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「真剣に愛について考え、話し合う人が多いんです。皆、真面目なんですよ。キリスト教徒が多い中で、複数愛は『ふしだら』と糾弾されがちですが、彼らには『私たちはちゃんとふしだらなことをしています』と表明する知性と姿勢があります。“性”というよりも“生”、生きることに対して真剣なのだと実感しました」

 とはいえ、恋愛には嫉妬や独占欲がつきものではないだろうか。

「複数愛でも同様の問題はありますが、だからこそ彼らはより細かなケアを実践しています。“配慮が作る複数愛”という印象です。今の日本でも、同性婚を公的に認める条例が可決されるなど、セクシュアリティーの多様性を認める動きが活発です。ポリアモリーも多様な愛のひとつ。自分とは異なる形の愛や家族を築いている人を受け入れる、成熟した社会になればいいなぁと思っています」(平凡社 800円+税)

▽ふかみ・きくえ 札幌生まれ、横浜育ち。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程在籍。主な研究領域は性愛論、家族研究。本書が初著作。日本人で初めてポリアモリーの実態を調査研究し、書籍にまとめた。

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