「知性とは何か」佐藤優著

公開日: 更新日:

 世界を脅かすイスラム教過激派も、各国で台頭するナショナリズムも、すべて反知性主義を反映したものだと著者は指摘する。反知性主義とは、「実証性と客観性を軽視もしくは無視して、自分が欲するように世界を理解する態度」のこと。

 本書は、反知性主義化する日本の政治に危機感を抱く著者が、反知性主義がもたらす問題と、その克服のためにはどうすればよいのかを説いた論考。憲法改正問題に関連して、「ナチスの手口に学んだらどうかね」と語った麻生副総理の発言などを例に考察。反知性主義に対抗するための知性の復権、そして本当の知性を身につけるためにはどうすべきかを語る。(祥伝社 820円+税)



【連載】新書あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較