「芥川賞の謎を解く全選評完全読破」鵜飼哲夫著

公開日: 更新日:

 文学賞の代名詞である芥川賞が誕生して80年。選考委員は常に文学としての新しさを追求し、時に激しい議論を戦わせてきた。本書は、全152回、1400以上の選評から、その選考の舞台裏や名作が生まれた背景に迫る文学読み物。

 芥川龍之介に傾倒していた太宰治は、その名を冠した賞の受賞に執着するが果たすことができなかった。最年少選考委員の川端康成の選評に激怒した太宰は、雑誌で反論し、川端を「大悪党」と罵倒、「刺す」とまでつづっている。

 その他、受賞が社会的事件となった石原慎太郎の「太陽の季節」や最年少受賞者・綿矢りさ「蹴りたい背中」など、選評から日本の文学史を読み解いていく。(文藝春秋 830円+税)



【連載】新書あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  2. 2

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  3. 3

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  2. 7

    高市首相のいらん答弁で中国の怒りエスカレート…トンデモ政権が農水産業生産者と庶民を“見殺し”に

  3. 8

    ナイツ塙が創価学会YouTube登場で話題…氷川きよしや鈴木奈々、加藤綾菜も信仰オープンの背景

  4. 9

    高市首相の台湾有事めぐる国会答弁引き出した立憲議員を“悪玉”にする陰謀論のトンチンカン

  5. 10

    今田美桜「3億円トラブル」報道と11.24スペシャルイベント延期の“点と線”…体調不良説が再燃するウラ