「ナショナリズムの現在」萱野稔人ほか著

公開日: 更新日:

 5人の論客がいびつな形で高揚しつつある日本の「ナショナリズム」について論じ合った討論集。

 左翼陣営は、ネトウヨ(ネット右翼)を「社会から疎外されているかわいそうな人が、国家や民族のような『大いなるもの』に頼ってアイデンティティーを安定させたいだけ」と断定するが、その背後にあるものを見過ごしていると指摘。その背景には成熟社会としての日本の基礎設計がうまくなされていないことに対する不満のはけ口として排他主義が生まれていると読み解く。歴史観と関係なく感情的な反発の延長線上に排他主義としてのナショナリズムが一般化しているとも。

 国益すら無視して暴走を始めたナショナリズムとどう向き合うべきかを論じ合う。

(朝日新聞出版 720円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  2. 2

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 3

    N党・立花孝志容疑者にくすぶる深刻メンタル問題…日頃から不調公言、送検でも異様なハイテンション

  4. 4

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  5. 5

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  1. 6

    高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈

  2. 7

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 8

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然

  4. 9

    高市首相は自民党にはハキハキ、共産、れいわには棒読み…相手で態度を変える人間ほど信用できないものはない

  5. 10

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗