「ナショナリズムの現在」萱野稔人ほか著

公開日: 更新日:

 5人の論客がいびつな形で高揚しつつある日本の「ナショナリズム」について論じ合った討論集。

 左翼陣営は、ネトウヨ(ネット右翼)を「社会から疎外されているかわいそうな人が、国家や民族のような『大いなるもの』に頼ってアイデンティティーを安定させたいだけ」と断定するが、その背後にあるものを見過ごしていると指摘。その背景には成熟社会としての日本の基礎設計がうまくなされていないことに対する不満のはけ口として排他主義が生まれていると読み解く。歴史観と関係なく感情的な反発の延長線上に排他主義としてのナショナリズムが一般化しているとも。

 国益すら無視して暴走を始めたナショナリズムとどう向き合うべきかを論じ合う。

(朝日新聞出版 720円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    長嶋一茂は“バカ息子落書き騒動”を自虐ネタに解禁も…江角マキコはいま何を? 第一線復帰は?

  3. 3

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  4. 4

    "お騒がせ元女優"江角マキコさんが長女とTikTokに登場 20歳のタイミングは芸能界デビューの布石か

  5. 5

    【独自】江角マキコが名門校との"ドロ沼訴訟"に勝訴していた!「『江角は悪』の印象操作を感じた」と本人激白

  1. 6

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  2. 7

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  3. 8

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 9

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  5. 10

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール