戦争法案の議論を透視したような慧眼

公開日: 更新日:

「田中清玄自伝」田中清玄・大須賀瑞夫著

 戦前に武装共産党を指導し、戦後は右翼の黒幕として活躍した田中清玄の「自伝」が抜群におもしろい。現代の古典と言っていいほどである。まず、その「靖国神社」批判を引こう。

中国から鄧小平さんが来られた時に『鄧小平が陛下に会うのなら、その前に靖国神社にお参りせよ』などと言ったバカな右翼がいました。陛下が訪中されて鄧小平さんに会う前に、四川省か山西省か、どこか田舎のお寺をお参りして来い、そうでなければ会わさないと、まったく逆のことを言われたら、日本人はどう思いますか。それとおんなじことだ。(中略)もっとひどいのは、それを今、大挙して国会議員たちが、年寄りも若いのもふんぞりかえって参拝していることだ。今年も去年より何十人増えたとかいって騒いでいる。この政治家たちは『平和、平和』って、一体何を考えているんだ。彼等が平和って言ったって、『戦争をやるための口実だ』ぐらいに思ったらいいですよ」

「戦争法案」が論議されている現在を透視したような発言だろう。

 田中によれば、石橋湛山が内閣を組織して閣僚名簿を昭和天皇のところへ持って行った時、天皇は外相の岸信介の欄を指さし、

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    北島三郎(3)「北島ファミリー」の長女・原田悠里が語る御大

  2. 2

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 3

    「マクドは健康保険と年金に加入できてよかった」 シニアが働き続けるために必要なこととは?

  4. 4

    東京・蒲田の2駅結ぶ蒲蒲線、大田区と地元を取材して分かった実現のハードルと地元の思い

  5. 5

    NHK夏の音楽特番「うたであえたら」は北川景子のMCが見事 カオスと化した近年の紅白はお手本に

  1. 6

    菊池風磨はジャニー喜多川氏の“推薦”もあって慶大総合政策学部に進学 仕事の合間に1日10時間の猛勉強

  2. 7

    KDDIが楽天モバイルへの「ローミング」終了でライバルの“品質低下”を狙い撃つ

  3. 8

    豊昇龍が長期離脱で大の里までピンチ! “ひとり横綱”の重圧で「共倒れ」にならないか

  4. 9

    徳川光圀(1)水戸黄門は全国漫遊などしていない 主に出かけたのは江戸と領地の往復

  5. 10

    永野芽郁がキャバ嬢で「復帰」もM!LKファンやきもき…共演するかもしれない佐野勇斗への“キラー”ぶり警戒