「革命戦士」と呼ばれた男の実像に迫る

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「真説・長州力 1951-2015」田崎健太著

 昨今「プ女子」といわれるプロレス好き女性効果などもあり、プロレスブームが再燃しているという。だが、本書で描かれるプロレスは終始男だらけの世界だ。登場する女性は、プロレス団体の事務員程度という男くささプンプンの書である。

 プロレスといえば、アンドレ・ザ・ジャイアントが牛を1頭食ったやらなんやらの真偽不明のホラ吹き話も多いが、本書はプロレスラー・長州力の実像にかなり迫った書である。特に長州を美化するでもない。それが表れるのが、一時期はジャパンプロレスで共闘し、後に長州が立ち上げた団体で選手兼営業担当となる谷津嘉章と著者のやりとりのシーンだ。現在、谷津は長州と断絶している。谷津は不機嫌そうな様子でこう言った。

「これって長州の伝記みたいなものだから、事実を書けないところもあるんでしょ? 英雄伝みたいなものなんじゃないの?」

 これに対し、著者は「この本はあくまでもぼくの著作であり、中には長州にとって不都合なことも含まれる。だからあなたに話を伺いたいのだとぼくが答えると、谷津はなるほどと頷いた」と振り返る。

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