「ドイツ映画零年」渋谷哲也著

公開日: 更新日:

「民族の祭典」「美の祭典」(オリンピア)を作った映画監督、レニ・リーフェンシュタールは連合国の審理でナチ体制の〈同伴者〉と位置付けられて戦犯とは認められなかった。だが、彼女の映画はナチスのプロパガンダとみられ、批判にさらされてきた。

 彼女は頑としてそれを認めないが、それはプロパガンダと認めたら、その作品がナチ党に属するものになり、自分の著作権が失われるからだったのではないかと著者は見る。

 他に、「怪人マブゼ博士」を作ったフリッツ・ラング、戦後の混乱の中を生きる人々を描いた「マリア・ブラウンの結婚」を作ったファスビンダーなどを論じた、ドイツ映画ファンにオススメの一冊。(共和国 2700円+税)



【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  2. 2

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  3. 3

    渡辺謙63歳で「ケイダッシュ」退社→独り立ちの背景と21歳年下女性との再々婚

  4. 4

    参政党は言行一致の政党だった!「多夫多妻」の提唱通り、党内は不倫やら略奪婚が花盛り

  5. 5

    悠仁さま「友人とガスト」でリア充の一方…警備の心配とお妃候補との出会いへのプレッシャー

  1. 6

    伊東市長「続投表明」で大炎上!そして学歴詐称疑惑は「カイロ大卒」の小池都知事にも“飛び火”

  2. 7

    大阪万博は鉄道もバスも激混みでウンザリ…会場の夢洲から安治川口駅まで、8キロを歩いてみた

  3. 8

    早場米シーズン到来、例年にない高値…では今年のコメ相場はどうなる?

  4. 9

    中島歩「あんぱん」の名演に視聴者涙…“棒読み俳優”のトラウマ克服、11年ぶり朝ドラで進化

  5. 10

    米価高騰「流通悪玉論」は真っ赤なウソだった! コメ不足を招いた農水省“見込み違い”の大罪