「快楽」青山七恵著

公開日: 更新日:

 慎司は、妻の耀子をヴェニスへの旅に誘い出す。結婚8年を経ても、モデル並みの美しさを保つ耀子だが、慎司は彼女との味気ない夫婦生活に不満を抱いていた。旅行には、慎司が招待した小谷夫婦も同行する。喫茶店を営む小谷徳史は、恵まれた容姿で幼いころから女たちの好色な視線にさらされてきた。

 一方、彼の妻・芙祐子は慎司の目にはコーギー犬のように映り、まるで自分たち夫婦とは正反対だ。無邪気に海外旅行を楽しんでいた芙祐子だが、次第に慎司夫妻と行動することにめいってくる。耀子は、夫がこの旅行中に自分が徳史と浮気することを望んでいることを知る。

 喪失感を抱えた4人の視線と思いが絡み合う長編小説。(講談社 690円+税)

【連載】文庫あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一の先行きはさらに険しくなった…「答え合わせ」連呼会見後、STARTO社がTOKIOとの年内契約終了発表

  2. 2

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  3. 3

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  4. 4

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  5. 5

    日本語ロックボーカルを力ずくで確立した功績はもっと語られるべき

  1. 6

    都玲華プロと“30歳差禁断愛”石井忍コーチの素性と評判…「2人の交際は有名」の証言も

  2. 7

    規制強化は待ったなし!政治家個人の「第2の財布」政党支部への企業献金は自民が9割、24億円超の仰天

  3. 8

    【伊東市長選告示ルポ】田久保前市長の第一声は異様な開き直り…“学歴詐称”「高卒なので」と直視せず

  4. 9

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  5. 10

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?