「開帳師」藤井邦夫著

公開日: 更新日:

 浪人の平八郎は、口入れ屋「萬屋」の万吉の仲介で開帳師の手伝いをすることに。寺院が一般の人々に秘仏を参拝させる「開帳」を催すのが開帳師だ。開帳を催せば人が集まり、勧進元には大金が転がり込む。平八郎を雇った長兵衛は、上野国舘林の寺に伝わる「分福茶釜」を本所の真光院に出張させて開帳するという。平八郎は金のにおいを嗅ぎつけ因縁をつけてきた貧乏御家人の子弟や、地回りを撃退。分福茶釜の開帳は評判を呼び、願掛け札は飛ぶように売れ、巨額のお布施も集まる。

 開帳の最終日を翌日に控えた夜、平八郎は分福茶釜に同行した舘林の開帳師・五郎蔵が、有名な盗賊と同一人物かもしれないと耳にする。(表題作)

 人気「素浪人稼業」シリーズ最新刊。(祥伝社 630円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン