「冒険歌手 珍・世界最悪の旅」峠恵子著

公開日: 更新日:

 順風満帆な人生を歩んでいたシンガー・ソングライターの著者は、あまりの順調さに「このままでいいわけがない」と不安を抱いていた。苦労を知らないという弱点を克服すべく模索していた30代のある日、手にした雑誌で「日本ニューギニア探検隊」の隊員募集という文字が目に飛び込んできた。

 その探検とは、ヨットで太平洋を渡り、ニューギニア島の大河マンベラモを遡上、オセアニアの最高峰カルステンツ・ピラミッド北壁の新ルートをロッククライミングで開拓するというもの。人生がひっくりかえるような苦労をするチャンスと直感した著者は迷わず応募。本書は、出港から帰国まで1年以上に及んだ、その命がけの探検の詳細をつづるノンフィクション。(山と溪谷社 1200円+税)



【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋