「核の時代70年」川名英之著

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 核兵器廃絶は人類の悲願だが、その削減は一向に進んでいない。本書は、「核の時代」の起点となった広島・長崎の被爆の実態と、この70年の核兵器問題の経過を検証したリポート。

 1938年にウラン235に中性子を照射すれば核分裂が起こり、莫大なエネルギーが放出されることが分かった。この発見からわずか7年後に人類史上最初の原爆が使用された。広島・長崎の犠牲者は昨夏時点で45万人を超える。これは投下直後の犠牲者数から2倍以上に増えたことになり、被ばくによる放射線障害の恐ろしさを表している。原爆投下までの経緯から、米ソによる核軍拡競争や、人類滅亡の瀬戸際だったキューバ危機など、災いの歴史を追い、核廃絶の道を展望する。(緑風出版 2800円+税)



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