「ロンドン歴史図鑑」キャシー・ロス、ジョン・クラーク著、樺山紘一解説、大間知知子訳

公開日: 更新日:

 ロンドン歴史博物館が収蔵する300万点にも及ぶ収蔵品から厳選された地図や図版、遺物を紹介しながら、世界有数の国際都市・ロンドンの誕生から現在までを概観する豪華図鑑。

 ロンドンの歴史はテムズ川があってこそ。ロンドンが都市として形成されるはるか昔の50万年近く前、現代のテムズ川流域に川が流れ始めると、気候や海水面の変動に合わせるように動物や初期の人類が現れては消えていった。そして4万年前ころから現生人類が流域に住み始め、さまざまな部族が集落をつくる。

 しかし、ロンドンをつくったのはそれらの人々ではなく、ローマ人だった。紀元43年、4万人の兵からなるローマ軍がブリタニアに上陸。ローマに従属する各部族の中心地が都市となり、それらの都市を結ぶ主要道路がテムズ川を渡らなければならなかったため、渡河地点として選ばれたのが、橋が架けられるほど川幅が狭く、後にロンドンとなる土地だった。その土地に建設された都市、ロンディニウムには世界各地から人々が集まり、急速に発展。

 ローマ人測量技師たちによって造り上げられた道路のいくつかは現代まで使用されている。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    大谷2戦連続6号弾 先輩の雄星も驚く「鈍感力」発揮!名門球団の重圧や水原問題もどこ吹く風

    大谷2戦連続6号弾 先輩の雄星も驚く「鈍感力」発揮!名門球団の重圧や水原問題もどこ吹く風

  3. 3
    長渕剛が誹謗中傷に《具合が悪い》と告白…《話があるなら、来てほしい》と性被害告発の元女優に呼びかけ

    長渕剛が誹謗中傷に《具合が悪い》と告白…《話があるなら、来てほしい》と性被害告発の元女優に呼びかけ

  4. 4
    松本人志に文春と和解の噂も、振り上げた拳は下ろせるか? 告発女性の素性がSNSで暴露され…

    松本人志に文春と和解の噂も、振り上げた拳は下ろせるか? 告発女性の素性がSNSで暴露され…

  5. 5
    松本人志“性的トラブル報道”へのコメント 優木まおみが称賛され、指原莉乃が叩かれるワケ

    松本人志“性的トラブル報道”へのコメント 優木まおみが称賛され、指原莉乃が叩かれるワケ

  1. 6
    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

  2. 7
    佐々木朗希にメジャー球団は前のめりも…ロッテ首脳陣が依然として計算できない脆弱ボディー

    佐々木朗希にメジャー球団は前のめりも…ロッテ首脳陣が依然として計算できない脆弱ボディー

  3. 8
    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前

    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前

  4. 9
    阪神・岡田監督ようやく取材解禁の舞台裏 もう怖いものなし?今後の報道に忖度生じる可能性

    阪神・岡田監督ようやく取材解禁の舞台裏 もう怖いものなし?今後の報道に忖度生じる可能性

  5. 10
    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異

    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異