「ナノサイエンス図鑑 未来が見える極小世界」ピーター・フォーブズ、トム・グリムジー著、日暮雅通訳

公開日: 更新日:

 1ナノメートルは、10億分の1メートル=100万分の1ミリ。原子や電子、分子のレベルを扱う「ナノテクノロジー」は、さまざまな科学技術への応用が期待され、日進月歩の勢いで研究が進む科学分野のひとつである。

 その成果のひとつが、1991年に日本人研究者が発見した「カーボンナノチューブ」だ。この発見によって地球と静止衛星の軌道を結ぶ「宇宙エレベーター」の実現が現実味を帯び、人類の宇宙への夢はさらに広がった。

 本書は、肉眼では見えないナノスケールの世界で繰り広げられるナノテクノロジーの基礎から最先端の研究までを分かりやすく解説してくれるサイエンスブック。

 ナノスケールの世界への扉を最初に開いたのは、物理学者リチャード・ファインマンだった。1959年、彼は「底のほうにはまだ十二分の余地がある」と題した講演で、目に見えない分子と、複雑精緻なエンジニアリングの驚異の数々を内包する生きた細胞には、スケールの差があるだけだとし、「エンジニアもまた、このスケールで操作できれば、さまざまな驚異を実現できるはずだ」と説いた。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  2. 2

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  3. 3

    永野芽郁が“濡れ場あり”韓流ドラマで「セクシー派女優転身、世界デビュー」の仰天情報

  4. 4

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  5. 5

    海星・陣内優翔は長崎県初の“完全男”だが…スカウトが「上位獲得」を渋るワケ

  1. 6

    中居正広氏は法廷バトルか、泣き寝入りか…「どちらも地獄」の“袋小路生活”と今後

  2. 7

    綾瀬はるか3年ぶり主演ドラマ「ひとりでしにたい」“不発”で迎えた曲がり角…女優として今後どうする?

  3. 8

    中山美穂「香典トラブル」で図らずも露呈した「妹・忍」をめぐる“芸能界のドンの圧力”

  4. 9

    長崎を熱狂させた海星・酒井圭一さんが当時を語る…プロ引退後はスカウトとして大谷翔平を担当

  5. 10

    安藤サクラ「柄本佑が初めて交際した人」に驚きの声…“遊び人の父”奥田瑛二を持つ娘の苦悩