「朱の記憶 亀倉雄策伝」馬場マコト著

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 戦時中、表現者たちはいや応なく戦争プロパガンダに加担させられることになる。やがて迎えた敗戦。30歳の亀倉は、戦場に散った仲間に瞑目し、新しい生活美術を生み出さんと、未知の海原に漕ぎ出していく。そして82歳で世を去るまで、日本のグラフィックデザインを牽引し続けた。

 この巨人の生涯を描いた評伝は、デザイン界に光源を据え、昭和という時代に光を当てた歴史の証言に他ならない。今回のエンブレム問題を考える上でも示唆に富んでいる。(日経BP社 1800円+税)


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