「踊り子と将棋指し」坂上琴著

公開日: 更新日:

 朝、公園で目覚めた「私」の手は、リードで子犬とつながっていた。やがて、前夜に酔ってバーで知り合った聖良の家に転がり込んだと、彼女からの電話で分かる。犬は彼女のペットだった。我慢できずコンビニで買ったビールをあおるが、気分が悪くなってしまう。胃薬だと思って飲んだポケットの薬は抗酒剤だったようだ。

 聖良によると私は彼女の死んだ恋人と同じアルコール依存症のようだ。帰りたくてもどこに帰っていいかわからない。聖良は依存症でインポの私を部屋においてくれる。ストリッパーの聖良に、マネジャーとして同行した私は、大阪で将棋の腕を見込まれ、真剣師と勝負することに。

 著者のアルコール依存症体験をもとに描かれた第10回小説現代長編新人賞受賞作。(講談社 1300円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手