「銀座百話」篠田鉱造著

公開日: 更新日:

 明治7年、銀座2丁目の横辻で、むしろを敷いて小机を前に「八犬伝」を読む少年講釈師がいた。朝野新聞社社長の成島柳北が人垣からのぞくと、隣に付き添っている老婦人に見覚えがある。かつて世話になった元旗本の老母だった。

 翌日、その自宅を訪れて事情を聴くと、維新後、零落して、孫は旧知の成島を頼ろうとしたが、祖母がそれをたしなめて、辻講釈で糊口をしのいでいたという。そして、成島の援助で、孫は後に一流の講釈師となった。

 他に、金六町の蕎麦屋の2階で高橋お伝が後に愛人となる古着屋の吉蔵に借金を申し込んだなど、銀座に伝わる逸話を紹介。1937年に出版された本の復刊。(河出書房新社 1900円+税)


【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市首相の沖縄「慰霊の日」追悼スピーチは99%安倍元首相のコピペ…唯一の違いは旧日本軍の神聖化

  2. 2

    福岡ローカル「西鉄」が"本業"以外で大躍進のワケ 国際物流事業は国内4位でコロナ禍の営業収益は12%増

  3. 3

    高市首相の“恥”行動が海外に飛び火! 英タイムスがG7外交をディスり、英FTは国内財界との没交渉ぶりを暴露

  4. 4

    歌手・小椋佳さん「たばこの煙が悩みを解いてくれた」…82歳の今も週1でコンサート

  5. 5

    西武が交流戦初Vも…ワガママエース今井達也の放出こそが“最大の補強”だった説

  1. 6

    AKB峯岸みなみの“丸刈り写真” 世界中で相次ぐ目撃情報の謎

  2. 7

    【高校野球怪情報】沖縄尚学・末吉良丞“プロ回避”に現実味…左肘不安で浮上する「東都の名門」の影

  3. 8

    『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』オールキャリアを代表する傑作のトリセツに注意セヨ

  4. 9

    『グッド・デイ・サンシャイン』一筋縄ではいかないヘンテコこそが中期のすべて

  5. 10

    東京ビートルズの番組が、ビートルズ来日から60年後となる日に放送決定