「シニア左翼とは何か」小林哲夫氏

公開日: 更新日:

 一貫組が2割、復活組3割、ご意見番組1割で、初参加組が4割で一番多いと見立てている。意外なのは、復活組の意見だったという。

「かつての自分たちのように機動隊や警察にぶつかるべき、生ぬるい、とシールズに批判的だと想像していましたが、『俺たちがなぜ負けたのか、シールズを見てよくわかった』と反省する人がほとんどです。組織動員ではなく、個人として参加するスタイルも、新鮮に映ったようですね。シニアたちを引きつけたのが、シールズの大きな功績です」

 とはいえ、「おまわりさんにお礼を言いましょう」というシールズに賛成できないのも熱きシニアの特徴だ。火炎瓶を投げなかったのは、運動に水を差すという冷静な判断力だけでなく、体力の衰えもあるのだろう。

 警察が極左暴力集団と呼ぶ新左翼党派にも取材した。

「誰も触れようとしませんし、若い人は存在すら知らないでしょうが、彼らの内ゲバは、社会運動から人々を遠ざけた一因です。僕らの世代も今の30代、40代も、普通にデモに行くという感覚を持ち合わせていなかった。でも、納得できないことに意思表示するのは当たり前の権利で、デモは何ら悪いことではありません。そのことも伝わってほしいです」(朝日新聞出版 780円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    全英V山下美夢有の「凱旋フィーバー」は望み薄…6年前の渋野日向子と決定的な違いとは?

  2. 2

    金足農・吉田大輝は「素質は兄・輝星以上」ともっぱらだが…スカウトが指摘する「気がかりな点」

  3. 3

    叡明(埼玉)中村監督「あくまで地元に特化したい。全国から選手を集めることは全く考えていません」

  4. 4

    中居正広氏に新事実報道!全否定した“性暴力”の中身…代理人弁護士は「出どころ不明」と一蹴

  5. 5

    東洋大姫路(兵庫)岡田監督「大学からは『3年で』と言われたけど、ナンボ何でも無理ですと」

  1. 6

    国民民主“激ヤバ”女性議員の選挙違反疑惑には党本部が関与か…ダンマリ玉木代表に真相究明はできるのか?

  2. 7

    清原和博さんの「思わぬ一言」で鼻の奥がジーン、泣きそうに。チーム内では“番長”とは別人だった

  3. 8

    嫌というほど味わった練習地獄と主力との待遇格差…俺の初キャンプは毎日がサバイバルだった

  4. 9

    例年の放送目前に「今年は27時間テレビないのか」の声が続々 2011年には中居正広氏に「女性に溺れる」との予言の因果

  5. 10

    巨人の正捕手争い完全決着へ…「岸田>甲斐」はデータでもハッキリ、阿部監督の起用法に変化も