「シニア左翼とは何か」小林哲夫氏

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個人として参加するデモのスタイルがシニア世代には新鮮に映る

 昨年の安保法制への反対行動では、SEALDs(シールズ)の若者たちが話題になった。
 今も彼らのメッセージがさまざまな反響を呼んでいる。

「実は、どの集会に行っても、年配の方たちが多かったんです。60代、70代から80歳を超えた方たちが、どんな思いで足を運んでいるのかに興味を持ちました。それと『40年ぶりに戻ってきた』1970年全共闘運動の活動家たちが、今の運動をどう見ているのかも気になりました。裏返せば、あなたたち40年間何してたの? という疑問ですね」

 シニアたちに話を聞くと、一貫組、復活組、「ご意見番」組、初参加組に分けることができた。復活組は、柄谷行人、内田樹、上野千鶴子など学者が多い。ご意見番は大江健三郎、瀬戸内寂聴、澤地久枝、森村誠一など、反体制・反権力的な意見表明をしてきた知識人だ。

「それに対して、初参加組は、孫たちの将来を考えると、原発再稼働も安保法制も許せないと、60歳を超えて初めて参加した人たちです。1970年当時、大学生は同世代の20%、全共闘は多数派ではありませんでした。でも、戦後の民主主義教育を受けた人たちが危機感を抱いて初参加するほど、状況がひどいということでしょう」

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