夫の些細な言動が妻の殺意を増幅する“恐ろしい真実”

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 検索サイトに「夫」と打ち込むと、次に来る検索語候補で最初の言葉が「死んでほしい」。これは、以前新聞やネットで騒がれた話題だが、小林美希著「夫に死んでほしい妻たち」(朝日新聞出版 780円+税)には、夫たちの“ウチに限って”という根拠のない自信を打ち砕く恐ろしい真実がつづられている。

 妻が夫に殺意を覚える瞬間は、日常の至るところに隠れている。妊娠中に飲み会に行った、赤ちゃんのオムツを替えない、ゴミ出しだけで家事をしている気になっているなど、男からすれば“え? そんなことで?”と思う些細なことの積み重ねが妻の怨念となる。

「おまえ、何やってんの!? ふざけんな、死ね!」。共働きで子供ふたりを育てている38歳の美幸さん(仮名)は、忙しい朝に夫が優雅にコーヒーを飲んでいる姿を見て、こう絶叫した。思わず口から出たのではなく、ずっと前から思っていたことだったという。

 つわりで苦しむ妻の隣で、ひとつだけ買ってきた弁当をおいしそうに頬張る夫だった。「私の分は?」と聞くと「食べられないかと思って買ってこなかった」という気の利かなさ。出産後は子供の機嫌がいいときに遊ぶだけでイクメン気取り。泣けばこちらに押し付けてきて、美幸さんはほんの1時間美容室に行くこともできなかった。マンション購入時に、夫が死亡するとローンの返済がなくなり離婚よりお得だと知り、夫が早く死ぬことを願う毎日だ。

 団塊妻の怨念はさらに熟成されている。葉子さん(仮名)は65歳で現役の美容師。若い頃は自由奔放で散々泣かされた“髪結いの亭主”への復讐が始まっている。家の中では娘と一緒に夫を完全無視。夫の歯ブラシでトイレを磨いて戻しておくのもストレス解消のひとつだ。ボケる前にしっかりといじめ抜き、夫が死んだら安い骨つぼに入れて電車に置いてきて、“遺失物”にしてやるのが目標だという。

 本当に“ウチは大丈夫”か!?

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