「ポーラースター☆ゲバラ覚醒」海堂尊著

公開日: 更新日:

 時は1951年12月。ブエノスアイレス大学医学部在学中のエルネスト・ゲバラ・デラセルナは、友人のピョートルと一緒にオートバイで南米縦断旅行に出かける計画を立てていた。ところが、ひょんなことから恋人のエリーゼの家族の前でプロポーズをする羽目になり、計画は延期。それでも旅を諦めることはできず、婚約者が止めるのを振り切ってピョートルとオンボロバイクにまたがってアルゼンチンを後にする。

 エクアドルのバナナ農園やペルーのハンセン病施設など、各地で目にした貧困や労働者への弾圧は、多感な青年の心に深く刻まれる。旅は友人の死によって突然終わりを告げるが、戻ってきた祖国にはすでに自分のいる場所はなかった─―。

 来年没後50年を迎えるチェ・ゲバラと彼が携わった中南米革命を描く4部作の第1弾。史実に基づきながらも、エバ・ペロンとの淡い恋、ボルヘスとネルーダとの邂逅など、フィクションを巧みに織り込みながら、革命に目覚めていく青年の心情を一人称で描く。従来の医療ものとは大いに趣を異にした著者の新境地となった話題作。(文藝春秋 1750円+税)


【連載】ベストセラー早読み

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    「立花一派」の一網打尽が司法の意志…広がる捜査の手に内部情報漏した兵庫県議2人も戦々恐々

  3. 3

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”

  4. 4

    「ロイヤルファミリー」視聴率回復は《目黒蓮効果》説に異論も…ハリウッドデビューする“めめ”に足りないもの

  5. 5

    国分太一は人権救済求め「窮状」を訴えるが…5億円自宅に土地、推定年収2億円超の“勝ち組セレブ”ぶりも明らかに

  1. 6

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  2. 7

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です

  3. 8

    元プロ野球投手の一場靖弘さん 裏金問題ドン底を経ての今

  4. 9

    米中が手を組み日本は「蚊帳の外」…切れ始めた「高市女性初首相」の賞味期限

  5. 10

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層