「東京オリンピック『問題』の核心は何か」小川勝著

公開日: 更新日:

 リオデジャネイロ・オリンピックが終わり、いよいよ次は東京だ。だが、新国立競技場や公式エンブレム問題が相次ぎ、大会の準備はスタートから迷走している。本書は、オリンピックを東京で開催する意義を改めて考察した五輪本。

 大会の準備・運営の基本方針を読むと、政府は日本人選手の金メダル数や経済効果、国力を世界に誇示することに固執し、五輪を「日本が恩恵を受けるためのイベント」ととらえていることがよくわかると批判。開催都市は、五輪から恩恵を受ける側ではなく、オリンピアンたちに恩恵を与える側であると説く。オリンピック憲章の理念に立ち返り、2度目の東京から世界に発信すべき理念とは何かを考える。(集英社 700円+税)

【連載】新書あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾