「鷹の爪 おっとり聖四郎事件控(五)」井川香四郎著

公開日: 更新日:

 普段は出張料理が専門の包丁人の聖四郎は、訳あって、仙台堀沿いの料亭「歳松」の花板を務める。急逝した先代の米八から、息子の駒吉を一人前の料理人にしてくれと頼まれたのだ。しかし、駒吉は修業に身が入らず、反抗的な態度を見せる。米八と駒吉は本当の父子ではなかった。

 同じころ、自身番大家の松蔵が仙台堀をはさんだ商家から「歳松」を監視していた。抜け荷の探索をしている松蔵は、「歳松」が取引の場所ではないかと疑っているようだった。そんな中、店の近くの船着き場に荷船が激突。船には心中のように手足を結び合った男女の死体が転がっていた。(「いつわりの花」)

 包丁も剣の腕前も冴えわたる聖四郎が悪党を両断する人気シリーズ。(光文社 640円+税)

【連載】文庫あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    嵐ラストで「500億円ボロ儲け」でも“びた一文払われない”性被害者も…藤島ジュリー景子氏に問われる責任問題

  2. 2

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  3. 3

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  4. 4

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  5. 5

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  1. 6

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  2. 7

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール

  3. 8

    織田裕二「踊る大捜査線」復活までのドタバタ劇…ようやく製作発表も、公開が2年後になったワケ

  4. 9

    「嵐」が2019年以来の大トリか…放送開始100年「NHK紅白歌合戦」めぐる“ライバルグループ”の名前

  5. 10

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞