「くじ」シャーリイ・ジャクスン著 深町眞理子訳

公開日: 更新日:

 6月27日の朝、村人たちが三々五々、広場に集まってくる。毎年恒例のくじを引くために。子どもたちは、大人たちが集まる前に小石を集め、広場の隅に小山を作っている。この村の住人は300人ほどで、くじはすぐに終わるが、住人が多くて2日をかける村もあるらしい。

 村人たちがそんな話をしていると、取り仕切り役のサマーズが黒い箱を持って現れる。氏が入念に箱の中をかき回していると、うっかり行事があることを忘れていたハッチンスン夫人が広場に駆け込んできた。やがて、名簿順に一家の長がサマーズに呼ばれてくじを引き始める……。

 半世紀以上も前に刊行され、今も読者に衝撃をもたらすこの表題作をはじめ、人間の悪魔性を描き出す異色の短編集。(早川書房 1000円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束