「バー・リバーサイド」吉村喜彦著

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 東京・二子玉川で小さなバー「リバーサイド」を営む川原は、土曜日だけいつもより10分早く店を開ける。土曜日は、常連のうどん屋の店主・井上が開店時間より必ず早く来店するからだ。毎晩、午前零時に起きてうどんを打つ井上は、定休日の前の土曜だけ気晴らしに川原の店に立ち寄り、酒を飲むことを自分に許しているのだ。福岡で生まれ育った井上は、高校卒業後に上京して仕事を転々。紆余曲折の末、35歳で四国に修業に行き、今の店を開いたという。井上は、若いバーテンダーの琉平が作るカクテルは絶対に口にせず、川原が作った酒しか飲まない。(「花の酒、星の酒」)

 多摩川の川景色を眺めながら酒が楽しめるバーに集う客たちの人生を描く短編集。

(角川春樹事務所 540円+税)

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