「負けてたまるか!国産旅客機を俺達が造ってやる」小西透著
2015年11月11日、小牧空港から1機の飛行機が飛び立った。国産初のジェット旅客機(MRJ)である。戦争中、零戦に痛めつけられたことから、GHQは終戦後、日本に飛行機を造らせなかった。禁止令が解除された1956年に航空法と航空機製造事業法が施行され、YS―11が誕生したが、国家主導型プロジェクトでコストがかかりすぎ挫折した。2003年、経産省が旅客機開発計画を発表したが、名乗りを上げる企業はなかった。だが、かつて零戦を手掛けた三菱重工の名古屋航空宇宙システム製作所の村山所長は果敢な決断をする。
8年間の取材を基に、MRJ開発に懸ける技術者たちを描く迫真の小説。
(ブックマン社 2200円+税)