「名前のない女たち」中村淳彦著
フリーのAV女優・つるのは、業界で「日本で一番ギャラが安い」として有名だ。後ろ盾がないため価格を叩かれるのが原因だが、問題は依頼内容に記載のない、ハードな撮影をさせられることだ。事実、つるのは撮影中にガスバーナーで体を焼かれ、全治2カ月の重傷を負う。
地元の国立大学卒業後、新卒で入った会社が低収入のブラック企業で、効率のよいバイトを探しているうちにAVにたどり着いたという。地方出身で金銭感覚に乏しく、変態的な性行為も単なる肉体労働と思っているため、あの大けがも「今後は気を付けなきゃ」と、懲りずに現場に復帰した――。(「日本最安値の女」)
その他、発狂母と心中未遂したエミリ、年収3万円の“超熟”AV女優・ミキら18人のAV女優の壮絶すぎる過去と現在をルポルタージュするシリーズ最新作。(宝島社 800円+税)