「貧困と地域」白波瀬達也著

公開日: 更新日:

 かつて「日雇い労働者」の町のひとつとして知られた大阪・あいりん地区(釜ケ崎)は、長引く不況や高齢化によって、失業及び生活保護受給が進み「福祉の町」へと変容している。劣悪な住環境や社会的孤立、孤独死など、同地区が直面する問題を分析しながら、「貧困の地域集中」とその対策を考察したコミュニティー論。

 町の歴史を振り返り、生活困窮者の受け皿として機能した結果、貧困が地域に集中してきた過程を詳述。一方でこうした状況を打破するため、さまざまな担い手が支援活動を続けてきた。2000年以降は、セーフティーネットの強化で応急的な支援から定住化・ホームレス化の予防など、支援も多様化している。同地区の現状から貧困が拡散する日本の課題を考える。(中央公論新社 800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン