「江戸の長者番付 殿様から商人、歌舞伎役者に庶民まで」菅野俊輔著

公開日: 更新日:

 江戸っ子たちの懐具合をのぞき見る、歴史読み物。

 まず各分野から選び出した高額所得者の代表10人をランキング。頂点に立つのは言わずもがなの将軍家だが、8代将軍吉宗の享保15(1730)年の年収は、約80万両。領地からの年貢に加え、長崎貿易の運上金や御用金からなり、現在のお金に換算すると1294億円にもなるという。ダントツかと思いきや、加賀百万石といわれる前田家も13代目当主の斉泰は、1134億円と負けていない。日本一の豪商・三井越後屋の三井八郎右衛門が18億円足らず、吉原の人気花魁は約1億3000万円と当時のセレブたちがずらり。

 その他、武士や職人、町人などの収支を明らかにしながら、その暮らしぶりを紹介する。(青春出版社 890円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 2

    自維連立に透ける実現不能の“空手形”…維新が「絶対条件」と拘る議員定数削減にもウラがある

  3. 3

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  1. 6

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  2. 7

    日本ハム1位・伊藤大海 北海道の漁師町で育った泣き虫小僧

  3. 8

    米倉涼子の薬物逮捕は考えにくいが…業界が一斉に彼女から手を引き始めた

  4. 9

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  5. 10

    影山雅永JFA技術委員長の“児童ポルノ逮捕”で「森保監督がホッとしている情報」の深層