「生活習慣病の漢方内科クリニック」入江祥史著
漢方では具体的にどのように患者を問診・触診して診断を下し治療方法を決めていくのか。
たとえば、男性50歳、企業の管理職で身長175センチ、体重78キロのがっちりとした体格の血圧患者の場合。まず会話をしながら患者の様子、外観、声の強さなどを問診で探り、脈診・舌診・腹診を行い、「肝鬱化火上炎」という診断を下した。そして、肝と心の熱を取り、便秘を解消するために三黄瀉心湯というエキス製剤を処方し、2週間後には大柴胡湯に切り替えた。
こうした実際の治療事例をもとに、患者と医師との対話の流れもつぶさに紹介しながら、現代医学と併用して肥満、糖尿病、痛風、気管支ぜんそくなどの生活習慣病について漢方医学での治療法を詳しく解説。(創元社 1800円+税)