「日本の『いい会社』」坂本光司&法政大学大学院 坂本光司研究室著

公開日: 更新日:

 日本をさまざまな角度から発掘する「シリーズ・ニッポン再発見」の第6弾。同シリーズは今まで、「マンホール」「銭湯」などディープなテーマを掘り下げてきたが、今回のテーマは「会社」。北海道から福岡までの、力のある企業20社をピックアップしている。

 たとえば、愛知県一宮市の「たんぽぽ介護センター」は、日本最大級のデイサービスセンター。一般的な施設が30~200坪であるのに対して、同センターの総床面積は1300坪。利用者数も1日平均約250人で年間延べ7万5000人にも達する。館内には温泉、カジノ、パソコン、囲碁、陶芸、プールなどの娯楽設備に加え、シード(種)と呼ばれるセンター内だけで使える通貨がある。

 この通貨は、好きなリハビリプログラムに参加して稼ぎ、コーヒー代などにして自由に使えるのだそうだ。嫌々通わされる場所ではなく、もはやテーマパークと化している。

 地域を支えるこうした企業の取り組みから、日本の未来が見えそうだ。(ミネルヴァ書房 2000円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です