「聖書と歎異抄」五木寛之、本田哲郎著

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「歎異抄」の「善人ですら救われるのだ。まして悪人が救われぬわけはない」という親鸞の言葉と、「聖書」の「私が来たのは、真っ当な人のためではなく、罪びとのために来た」というイエスの言葉に共通の考えを見いだせる、とはよく指摘されるところ。本書は、イエスと親鸞という2人の宗教改革者の思想と、彼らが後世にもたらした影響を語り合った対話集。

 先ごろ、長編小説「親鸞」を完結した五木寛之に対するのは、バチカンで聖書を学び、司祭として大阪市西成区の釜ケ崎で日雇い労働者たちの生活支援活動や聖書の勉強会などを行っている本田哲郎。

 対話は本田の独自の読みによる「聖書」の翻訳の話から始まり、「貧しき者」の意味を巡って議論が交わされる。その後話題は、キリシタンと隠れ念仏、宮沢賢治とドストエフスキー、聖フランシスコと親鸞の同時代性から現代のナショナリズム問題へと及ぶ。

 小著ながら、2つの書の本質を見事にすくい取っている。巻末の五木の私訳「歎異抄」も必読。(東京書籍 1300円+税)

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