「ブラック奨学金」今野晴貴著

公開日: 更新日:

 奨学金を借りた学生が返済に行き詰まり、保証人になった親族が返済を求められるケースが続発しているという。ほとんどが貸与型で、その過半数が有利子の奨学金は、実質的には借金なのだ。

 一方で奨学金を利用する学生は増え続け、現在、大学生・短大生の約4割が奨学金を利用し、1人当たりの合計借入額の平均は有利子で343万にもなるそうだ。

 奨学金を返せない若者が増えている背景には、雇用状況の悪化に加え、奨学金を貸し出す独立行政法人・日本学生支援機構の取り立て強化が原因として挙げられる。

 本書は、激増する奨学金裁判の実態を報告しながら、奨学金制度の危険性などを指摘、さらに返せなくなった場合の対処法まで紹介したリポート。(文藝春秋 830円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態