「絶望図書館」頭木弘樹編

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 絶望して、当分、立ち直れそうにない時、命綱となってくれるような物語を編んだ作品集。

 土曜日、小学生のトシオが電話に出ると、父親が人と会ったので帰宅が遅くなると告げる。しかし、30分前に父親は帰宅していた。すると、玄関を開けてまた一人、父親が帰ってくる。朝帰りした父親を含め3人は自分が本当の父親だとケンカを始める。学校に行くと、同級生の家でも父親が増え、中には10人になってしまった家があるという……。

「人に受け入れてもらえない絶望」におすすめのこの児童書「おとうさんがいっぱい」(三田村信行著)をはじめ、「ずっと誰も助けてくれないという絶望」に効く「漁師と魔神との物語」(千夜一夜物語から)など12作を収録。

 (筑摩書房 840円+税)

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