「龍の右目」吉川永青著

公開日: 更新日:

 伊達家三傑のひとりに数えられた伊達成実は、天下取りを狙う伊達政宗に仕えていた。天正17(1589)年、政宗は会津を下して陸奥の覇者となる。そんな折、秀吉から小田原攻めに参陣せよと下知があった。政宗は自分の野望が遅きに失したとほぞをかみ、やむなく小田原への参陣を決意する。成実は政宗の大望をかなえようと「戦え!」と主張する。だが政宗は戦乱の世が終わることを知り、苦悩の末に伊達の生き残りを選んだのだ。小田原行きの前に母を訪ねた政宗は、母が弟を寵愛するあまり自分に毒を盛ったことを知り、母を殺そうとする。成実は政宗をいさめようとするが……。

 葛藤を繰り返しながら政宗を支え続けた男を描く歴史小説。

(角川春樹事務所 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景