「教誨師」堀川惠子著

公開日: 更新日:

 死刑囚と対話を重ね、執行にも立ち会う教誨師を半世紀も続けてきた渡邉普相氏への聞き語り集。

 広島生まれの氏は、東京の浄土真宗の寺・當光寺に婿入りし、副住職となる。その寺で出会った福岡の僧侶、篠田に導かれ、28歳で教誨師に着任。教誨師は無報酬のボランティアで、その任の重さから氏ほど長年、続けてきた人はいないという。

 一杯の酒が飲みたいがために看守を殺して脱走し死刑宣告された山本勝美(仮名)、教誨室で刑に問われた以外の3件もの殺人を告白した連続殺人犯・白木雄一(同)、「お母さん、お母さん」と叫んで暴れ、刑務官によって強引に刑に処された横田和男(同)など。本人の死後に出版するとの条件で語られた死刑囚との最期の日々を克明に記す。
(講談社 720円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」