「俳諧でぼろ儲け 浮世奉行と三悪人」田中啓文著

公開日: 更新日:

 大坂で「竹光屋」を営む雀丸は、近所に住む女侠客の鬼御前から賞金100両の句合わせが行われると耳にする。見つかった芭蕉の辞世の句の碑を作るための資金集めの句合わせらしい。雀丸に興味はないが、同居する祖母の加似江も鬼御前もやる気満々。5日後の締め切りを目指し、句作が始まる。一方、雀丸に竹光作りの依頼が舞い込む。居丈高な依頼人の武士・河野が持ち込んだ刀は、名刀「虎徹」だった。金に困っているらしい河野は、句合わせの引き札を目にとめ、自分も参加すると帰っていった。そこへ有名な俳諧師が雀丸を訪ねてくる。(表題作)

 町奉行の裁きを待っていられないこともある。そんなもめ事を裁断する「横町奉行」でもある雀丸が主人公の連作時代小説第2弾。

(集英社 720円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動