「獣でなぜ悪い」園子温著

公開日: 更新日:

 吉高由里子満島ひかりを見いだした映画監督による自由論。

 若手女優に壁を突破させた作品で高い評価を得てきた著者は、アイドルなど若くてかわいい女性にしか需要がない最近の日本は保守的で「息苦しい」と批判する。対して、哲学者シモーヌ・ヴェイユから京マチ子、歌手のビヨンセやアデルまで、古今東西の魅力的な女性像を多数紹介。魅力の核となるのは他人と違う中身、生きざまの美しさであり、自由で力強い女性こそセクシーだという。

 自分たちを不自由にする「透明な檻」に気づいてさえいない男性に比べて、女性は自覚的だそう。誰もが自由を謳歌するために、人生をどう闘うべきか。自身の生い立ちや影響を受けた文学作品、映画の撮影秘話なども交えながら、縦横無尽に語り尽くす。

(文藝春秋 1200円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元フジテレビ長谷川豊アナが“おすぎ上納”告白で実名…佐々木恭子アナは災難か自業自得か

  2. 2

    フジ・メディアHD経営刷新委に吉田真貴子氏の名前…"高級和牛ステーキ接待"で辞職→天下り疑惑の元総務官僚

  3. 3

    「(来季の去就は)マコト以外は全員白紙や!」星野監督が全員の前で放った言葉を意気に感じた

  4. 4

    26億円投入のお台場巨大噴水事業が「フジ日枝案件」と露見…小池都知事による激怒と錯乱と珍答弁

  5. 5

    (61)寅さんのおかげで子供4人を大学に入れることができた

  1. 6

    中居氏問題の根底にある「旧ジャニーズ」の大きすぎる存在…フジは“パイプ役”藤島ジュリー景子氏と関係断絶できるのか

  2. 7

    星野監督1年目…周囲から浮いても関係ない「今岡は変わった」と思わせたくてアップから全力だった

  3. 8

    石丸伸二陣営が会見で露呈したグダグダ…都知事選の公選法違反疑惑で事務局長が“新証言”、買収の疑い強まる

  4. 9

    今年のロッテは期待大!“自己チュー” 佐々木朗希が去って《ようやくチームがひとつに》の声

  5. 10

    【新連載】星野監督は講演会でいきなり「おまえはクソ生意気らしいから野村さんと全然あかんかったんやろ!」