「獣でなぜ悪い」園子温著

公開日: 更新日:

 吉高由里子満島ひかりを見いだした映画監督による自由論。

 若手女優に壁を突破させた作品で高い評価を得てきた著者は、アイドルなど若くてかわいい女性にしか需要がない最近の日本は保守的で「息苦しい」と批判する。対して、哲学者シモーヌ・ヴェイユから京マチ子、歌手のビヨンセやアデルまで、古今東西の魅力的な女性像を多数紹介。魅力の核となるのは他人と違う中身、生きざまの美しさであり、自由で力強い女性こそセクシーだという。

 自分たちを不自由にする「透明な檻」に気づいてさえいない男性に比べて、女性は自覚的だそう。誰もが自由を謳歌するために、人生をどう闘うべきか。自身の生い立ちや影響を受けた文学作品、映画の撮影秘話なども交えながら、縦横無尽に語り尽くす。

(文藝春秋 1200円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした