「獣でなぜ悪い」園子温著

公開日: 更新日:

 吉高由里子満島ひかりを見いだした映画監督による自由論。

 若手女優に壁を突破させた作品で高い評価を得てきた著者は、アイドルなど若くてかわいい女性にしか需要がない最近の日本は保守的で「息苦しい」と批判する。対して、哲学者シモーヌ・ヴェイユから京マチ子、歌手のビヨンセやアデルまで、古今東西の魅力的な女性像を多数紹介。魅力の核となるのは他人と違う中身、生きざまの美しさであり、自由で力強い女性こそセクシーだという。

 自分たちを不自由にする「透明な檻」に気づいてさえいない男性に比べて、女性は自覚的だそう。誰もが自由を謳歌するために、人生をどう闘うべきか。自身の生い立ちや影響を受けた文学作品、映画の撮影秘話なども交えながら、縦横無尽に語り尽くす。

(文藝春秋 1200円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  5. 5

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  1. 6

    「好感度ギャップ」がアダとなった永野芽郁、国分太一、チョコプラ松尾…“いい人”ほど何かを起こした時は激しく燃え上がる

  2. 7

    衆院定数削減の効果はせいぜい50億円…「そんなことより」自民党の内部留保210億円の衝撃!

  3. 8

    『サン!シャイン』終了は佐々木恭子アナにも責任が…フジ騒動で株を上げた大ベテランが“不評”のワケ

  4. 9

    ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?

  5. 10

    今井達也の希望をクリアするメジャー5球団の名前は…大谷ドジャースは真っ先に“対象外"