「競馬妄想辞典」乗峯栄一著

公開日: 更新日:

 2001年の天皇賞(春)のとき、タガジョーノーブルに乗る福永祐一は「前走阪神大賞典のときは、逃げ馬に乗るときにやらなアカンことをつい忘れていた」と言った。福永は「殺人的ペースで逃げる」といつになく過激な言葉を吐いていた。天皇賞には1年ぶりに「逃げの大家」セイウンスカイが出るので牽制したのか。「やらなアカンこと」とは「アナウンス」だ。このときの福永は「キンシャサの奇跡」のときのモハメド・アリの域に達していた。

 3年のブランクの後、ジョージ・フォアマンに挑戦したアリは「フォアマンはでかいミイラ男にすぎん」などとしゃべりまくった。そしてダウン寸前に4発ほど打っただけでフォアマンを倒したのだ。(「キンシャサの奇跡」)

 競馬をより楽しくしてくれる77のコラムを収録。

(あおぞら書房 1600円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾