「モンゴル人の中国革命」楊海英著

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 著者の故郷・モンゴルの最南端オルドス高原を舞台に、日本と中国に翻弄された同国の近現代を見つめた革命史。

 1932年、日本の主導で誕生した満州国の国土の3分の1はモンゴル人の草原が占めていた。日本は、モンゴル人の自治を許し、満州国とモンゴル自治邦というふたつの近代国家をつくったが、オルドスだけは攻め落とせなかった。

 一方の中華民国政府にとっては、オルドスのモンゴル人を国民党指導下の抗日陣営にとどめておくことが重要な政治課題となった。戦後、日本が撤退すると、ヤルタ協定の密約によって中国の占領下におかれた南モンゴルは、国民党と共産党の内戦に巻き込まれていく。

 中国の革命成功によって受難の道を歩まされた南モンゴルの歴史を詳細に解説する。

 (筑摩書房 940円+税)

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