「バシレウス 呂不韋伝」塚本靑史著

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 2019年春、始皇帝兵馬俑博物館の研究員は、宝物庫の発掘で古代ギリシャの金貨が発見されたと発表、戦国時代から東西交易があった可能性が示唆された。さらに始皇帝の妃や公子とおぼしき頭蓋骨も発見されたが、それらは白人系統の遺伝子を持っていた。以前から始皇帝にはソグド人の商人、呂不韋の血が入っているといわれていたのだ。

 前285年ごろ、呂不韋はソグディアナ出身の父と一緒に秦や漢で武器などの販売をしていたが、趙の邯鄲で人質にされていた秦の公子、贏異人と出会う。贏は呂不韋の支援で王位に就き、その子が後に秦の始皇帝として中華の統一を目指すのである。春秋戦国時代を終わらせた男たちを描く壮大な歴史小説。

(NHK出版 1700円+税)

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