「アイデンティティが人を殺す」アミン・マアルーフ著 小野正嗣訳

公開日: 更新日:

 レバノンに生まれ、27歳でパリに移住した著者は、複数の国、言語、文化的伝統の境界を生きてきた。これが氏のアイデンティティーなのだが、よく「自分のいちばん深いところでは、自分を何者だと感じているのか」と問われる。その人が帰属する唯一のものは、生まれながらに定まり変化することはないという考え方からだ。

 昨今、宗教や人種、民族などの「本質的な帰属なるもの」=「自分のアイデンティティーを表明する」ことが求められることが増えた。しかし、それは複雑なアイデンティティーを持つ者がのけ者にされることになる。人が宗教的または民族的、その他もろもろのアイデンティティーという名のもとに数々の罪を犯すのはなぜなのかを考察した名エッセーの邦訳。

(筑摩書房 1100円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐藤二朗の地上波ドラマはしばらく厳しいが…橋本愛の事態はもっと深刻

  2. 2

    小池栄子が一番の被害者? 佐藤二朗“ハラスメント騒動”に足引っ張られた「さよならノワール」の評価は上々

  3. 3

    戸郷が離脱、則本メッタ打ちで巨人が緊急補強へ…候補に挙がる「オリックス投手」の名前

  4. 4

    安青錦は「カラダ」より「アタマ」に課題…2ケタ勝利で大関復帰を果たせるか

  5. 5

    『ひよっこ』再放送記念、神回「ビートルズがやって来る」再録

  1. 6

    福山雅治も結婚後は苦戦…亀梨和也も正念場を迎えている

  2. 7

    佐藤二朗騒動の余波!「福田組」の長澤まさみへの“ハラスメント”舞台挨拶の悪ノリ動画が再注目…女性視聴者は嫌悪

  3. 8

    山田涼介が「令和最強アイドル」と評されるワケ…主演ドラマ「一次元の挿し木」は玉森裕太を三歩リード

  4. 9

    高市首相が衆院集中審議に“出たくない”とブー垂れ…身内の自民国対「もう疲れ果てた…」ヘトヘトのお気の毒

  5. 10

    ベタ折れで肝いり法案断念の維新 吉村代表と馬場前代表にミゾで「国会組」vs「大阪組」のバトル勃発